2011年04月16日

政府、賠償金の仮払い実施を正式決定 1世帯100万円

政府、賠償金の仮払い実施を正式決定 1世帯100万円産経新聞 4月15日(金)9時59分配信

原発事故経済被害対応本部の会議に臨む枝野幸男官房長官、海江田万里原子力経済被害担当相、鈴木寛文科副大臣)

 政府は15日、東京電力福島第1原子力発電所事故の避難住民らに対する損害賠償の内容を協議する「経済被害対応本部」(本部長・海江田万里経済産業相兼経済被害担当相)の初会合を開き、避難や自宅待機している住民に対し、東京電力が賠償金の仮払いを実施することを正式決定した。

 これを受けて、海江田万里経産相は同日の閣議後の記者会見で、東京電力に対し、賠償金の仮払いを速やかに実施するよう要請したことを明らかにした。金額は原発から30キロ圏内の全世帯を対象に1世帯当たり100万円、単身世帯は75万円。市町村を通じて月内にも支給を始める。総額については「(東電には)500億円ぐらいの準備があると聞いている」とした。

 一方、出荷停止を余儀なくされた農業漁業者や事業者に対しては「仮払いはあくまでも避難や屋内待避を余儀なくされた方が対象」(海江田経産相)として、4月中の仮払いの対象にはならないとした。

 海江田経産相は協同組合の融資を活用するなどの調達手段を活用してほしいとしたうえで、「農林漁業や事業者への補償もできるだけ早くという思いはある」と話した。

 仮払いの対象地域は12市町村で約4万8000世帯。被災した市町村が移転などで人手が不足していることから、東電に対し専用の相談窓口を設けることも提案しているという。避難指示が発動されていない「計画的避難区域」についても今後、仮払いの措置対象となる。

補償仮払金、大型連休前にも支給=誠実に対応―東電社長時事通信 4月15日(金)15時1分配信

 東京電力の清水正孝社長は15日の記者会見で、福島第1原発事故の避難・屋内退避区域の住民を対象とした「1世帯100万円、単身世帯75万円」の補償仮払金の支給について「速やかにお支払いしたい」と述べ、大型連休前にも支給を開始できるよう努力する考えを示した。
 同社長は「少しでも皆さまのお役に立てるようにしたい」とし、誠実に対応する意向を表明。補償仮払金は手元の運転資金で対応する方針を示した。福島第1原発 東電、年2000億円負担で調整 賠償問題毎日新聞 4月15日(金)22時57分配信

 東京電力の清水正孝社長は15日の記者会見で、福島第1原発事故で避難や屋内退避をしている住民らへの賠償金仮払いを4月中に始めたい考えを明らかにした。政府も15日、「経済被害対応本部」と「原子力損害賠償紛争審査会」の初会合を開き、損害賠償の枠組み策定に向けた議論を始めた。最終的な賠償額は数兆円に上る可能性があり、政府内では、東電の今後の収益から一定額を賠償原資に充てる案が浮上。負担額を年間2000億円規模とする方向で調整する。【山本明彦、立山清也、宮崎泰宏】

 「東電が損害賠償の一義的な責任を負う。政府としても、東電が事業収益を元に賠償責任を果たせるよう万全を期す」。海江田万里・経済産業相は15日の閣議後会見で、損害賠償の原資は東電の収益から捻出するとの考えを強調した。

 東電には今後、損害賠償のほか、福島第1原発の廃炉や電力供給の回復に巨額の費用がのしかかる。3月に金融機関から約2兆円の緊急融資を受けたが、追加融資に対して銀行団は「財務の健全性が前提」(全国銀行協会の奥正之会長)と慎重な姿勢を見せている。信用力低下で、社債発行による資金調達も難しい。

 こうした状況下で賠償負担が一度に生じると、東電が債務超過に陥り、電力の安定供給に支障が生じかねない。このため政府内では、賠償費用を東電に分割払いさせ、毎年の収益の範囲内で負担させる枠組みの検討が進んでいる。東電は例年、2000億〜4000億円の連結経常利益を出しており、政府内では年間2000億円規模の負担なら対応できるとの見方がある。

 一方、緊急融資に応じた金融機関からは「東電の電気事業収入は5兆円。数%のコスト増なら、電気料金に転嫁することも可能だ」(メガバンク幹部)との声が漏れる。電気料金は、かかったコストをもとに算出する「総括原価方式」で決めるため、最終的には損害賠償を含む事故費用を電気料金に上乗せすることが可能だからだ。

 しかし、今回の事故は、東電の津波対策の不十分さが引き起こした。損害賠償や事故費用を丸ごと料金に上乗せすれば、利用者の猛反発は必至だ。清水社長は会見で「料金問題に言及できる段階ではない。聖域無き合理化を進める」と述べ、人員削減や余剰資産売却、原子力事業の海外展開見直しなどを先行させて進めると説明した。政府内でも「事故コストをそのまま価格転嫁すればモラルハザードに陥る」(経済官庁幹部)との指摘があり、値上げを認可する立場の経産省は東電に対するリストラ圧力を強める考えだ。

 一方、損害賠償が東電単独で対応できないほど膨らんだ場合、国は補助金や低利融資、債務の政府保証などで支援するが、税金投入を避けるため、原発を保有するほかの電力会社に負担させる方式も検討する方向。ただ、自社の原発事故以外で負担を担えば株主代表訴訟のリスクにさらされかねないため、「原発リスクのための新たな保険制度創設」などを名目に負担を求めるとみられる。

 ◇JCO事故では決着に10年8カ月

 東電は避難住民への仮払いを決める一方、農漁業や商工業向けの賠償は先送りされた。対策遅れは地域経済に打撃を与えるが、規模が大きいだけに、損害額の確定や支払いなどの作業が迅速に進むかは予断を許さない。

 99年9月に茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)で起きた臨界事故では、発生数日後から住民や商工業者らの損害申請の受け付けを開始。年越しの資金繰りを支援するため、2722件の申請の半額を仮払いした。

 ただ、今回は避難者だけで8万人に上り、農漁業向けは「原子力損害賠償紛争審査会の指針を受けて対応する」(清水社長)方針。企業からの損害賠償請求などについても「実務の混乱を招く」として応じない考えだ。

 審査会は指針策定と個別の紛争処理にあたるが、被災者が納得しなければ訴訟に発展する。JCO事故は最終決着に10年8カ月かかったが、今回は一段の長期化も予想される。


タグ:東京電力
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