2011年06月09日

夏の電力不足、西日本に拡大も 定期検査中の原発、再開メド立たず

夏の電力不足、西日本に拡大も 定期検査中の原発、再開メド立たずフジサンケイ ビジネスアイ 6月9日(木)8時15分配信

 関西や九州など西日本でも今夏には深刻な電力不足となる懸念が深まっている。

東京電力福島第1原発事故に伴い、定期検査を終えた全国の原発が地元の合意が得られず、再稼働できない状態が続いているためだ。

全国の原発立地道県でつくる原子力発電関係団体協議会の三村申吾会長(青森県知事)は8日、海江田万里経済産業相と会談し、中部電力の浜岡原発以外の運転再開を認める判断根拠を示すなど8項目について、「原子力発電の安全確保に関する要請書」を手渡した。ただ、安全確保について政府の明確な判断は示されておらず、夏の電力需要ピークを前にタイムリミットが迫っている。

 同協議会との会談で海江田経産相は「(自治体には)緊急対策について国が責任を持つとお伝えしている」と応じたが、国の安全基準に不信感を募らせる自治体との間で、事態は膠着(こうちゃく)したままだ。

 仮に原発がこのまま再開できなければ、経産省によると関西、北陸、中部、四国、九州の西日本5電力で今夏の予定供給力の11%に相当する880万キロワットの供給力が減少。このため、東電や、浜岡原発を止めた中部電への電力融通も困難となる。

 電力需要に対する供給余力を示す予備率は、通常は8%以上必要とされる。

 経産省によると定検中の原発が再稼働できなければ今夏の予備率はすでにマイナスの東電、東北電力に加え、西日本5社も0.4%と緊迫状態に陥る。なかでも、関電(マイナス6.4%)、九電(1.6%)は需給調整が必要なレベルとなり、今夏の電力不足は全国規模に拡大する。全国的な電力不足は、震災や節電の影響で東日本から西日本に生産シフトを進める企業にも打撃を与える。

 原発の長期停止は、電力会社のコストアップにもなる。経産省の試算では、停止中の原発を火力発電で代替すると、燃料費のコスト増は9電力全体で今年度は1.4兆円にものぼる。

 このままだと来春には全国54基の原発がすべて止まる事態となり、資源エネルギー庁幹部は「震災復興と日本経済の足かせになる」と危機感を募らせている。(滝川麻衣子)


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