2007年05月13日

女優・宮本信子の第2幕…「眉山」で10年ぶりスクリーン

女優・宮本信子の第2幕…「眉山」で10年ぶりスクリーン
弱い面を見せない“神田のお龍”をほうふつとさせる着物で舞台あいさつした宮本信子
 女優の宮本信子(62)が10年ぶりにスクリーン復帰を果たした「眉山―びざん」(犬童一心監督)が12日、初日を迎えた。このほどインタビューに応じた宮本は名監督だった夫の伊丹十三さん(享年64歳)を自死という形で亡くした喪失感から一時は映画とは縁を切ることを考えた時期もあったという。10年の月日は、宮本に何を考えさせたのか。再び始まった「映画人生第2幕」への思いを語った。

 「久しく袖を通していなかったけれど、紫は私の好きな色。特別な日でもありましたから」宮本は10年ぶりの舞台あいさつに着物を選んだ。穏やかな笑みをたたえ、客席の隅々まで視線をやり、涙があふれるのをこらえていた。

 あの世の伊丹さんは「眉山」で見せた宮本の表情を笑顔をどう思っただろう。マルサの女、弁護士、芸者…いろんな個性的な役を妻に与えたが、役ごとにアップで映し出される宮本演じる主人公の笑顔も伊丹映画の魅力のひとつだった。

 復帰には「それだけの時間が必要だったと思う。つらさを無理に全部つぼに入れてフタしてた。“見ない”で進もうとした。映画館に行くのもつらかった。でも現実を見ないと前に行けないことに気づいたんです」。

 末期がんの母親(宮本)と娘(松嶋菜々子)のきずなを描いた今作。役名は“神田のお龍”こと龍子で、妻子ある医師を愛し、娘をその男性の故郷で女手ひとつで育て上げる。娘は母が心の奥にしまっていたものを知ろうとする。

 「10年ですからね。でも撮影ではすごく楽しんでいる自分がいた。待ち時間すらも楽しくて。でもクランクイン前夜は緊張と不安で。でも『しっかり寝なくちゃ』と言い聞かせて寝ましたけど(笑)」

 さだまさしの原作を読んで心打たれ、これまでのしゅん巡がウソのように出演を決めていた。役に導かれた。「龍子は見事に生きた女性。私はあんなに強くないわ。撮影中は宮本信子は完全に消え“お龍”になっていた。伊丹映画の時は『女優さんを妻にもらったんじゃありません』が口グセで。撮影中も家事してたから。今回はすべての時間お龍でいられた。不思議な感じがしたわ」

 「君はいい女優だ、あなたなら出来ますよ」絶えずそう宮本に言い続け、本当に女優として妻を開花させてみせた伊丹さん。いまは心の対話で日々を報告する。2人の息子も母親の映画カムバックを喜んだ。「長男は『試写ではなく、ちゃんとお金払って見に行きます』と。じゃあそうしてください、と」。

 改めて映画について考える時間でもあった。「大勢の人の力で結集されたものが大画面に映し出される。それを暗闇でご覧になって心を動かし、濃密な時を過ごしてもらえる。そしてきちんと残るから時がたとうと見てもらえる。映画の世界って本当にすてきでいいなぁって思わせてくれる機会でした。また新たな作品でご縁があれば、ぜひ、と思えました」。映画人生第2幕で、どんな当たり役を増やしていくのだろうか。

 ◆宮本信子(みやもと・のぶこ)1945年3月27日、北海道生まれ。62歳。文学座研究所出身。64年NHK「名古屋駅前」で女優デビュー。主な映画「お葬式」「タンポポ」「マルサの女」「あげまん」など。69年伊丹十三さんと結婚し、2児をもうける。長男の池内万作は俳優。NHK朝ドラ「どんど晴れ」に出演中。特技は小唄、ジャズダンス。身長156センチ、血液型O。
(2007年5月13日06時00分 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20070513-OHT1T00054.htm


posted by ぴか at 09:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画
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