2007年09月05日

「なぜ見捨て去った」初めて出廷の父、悲憤の訴え

「なぜ見捨て去った」初めて出廷の父、悲憤の訴え (07.09.04)
九州発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)http://kyushu.yomiuri.co.jp/news-spe/insyu/709/in_07090401.htm

 昨年8月、幼児3人が犠牲になった福岡市東区の飲酒運転追突事故で、危険運転致死傷罪などに問われた元市職員今林大(ふとし)被告(23)の第6回公判が4日、福岡地裁=川口宰護(しょうご)裁判長=で開かれた。

 3人の父親の大上哲央(あきお)さん(34)が検察側証人として初めて出廷し、「なぜ私たちを見捨て、現場から立ち去ったのか。せめて海に飛び込み救助してくれれば、一人でも子どもが助かった」と訴えた。母親のかおりさん(30)は身重のため出廷せず、検察側が証拠提出した供述調書の中で「絶対に(危険運転致死傷罪とひき逃げを併合した最高刑の懲役)25年の刑が下されることを確信しています。1年でも短ければ犯人を私が殺します」と厳しい処罰感情を述べた。

 大上さんと今林被告が顔を合わせるのは初めて。大上さんが入廷すると、今林被告は被告席から立ち上がって腰をくの字に曲げて頭を下げ、すすり泣きながらうつむいた。被告席に戻るよう裁判長に促されてもやめず、弁護人に支えられるようにしてようやく座った。証人尋問の間、2人が視線を合わせることはなかった。

 これに先立ち、検察側は大上さん夫婦の供述調書を証拠として申請、採用された。長男紘彬(ひろあき)ちゃん(当時4歳)、二男倫彬(ともあき)ちゃん(同3歳)、長女紗彬(さあや)ちゃん(同1歳)の笑顔や家族旅行の写真をプロジェクターを使って示しながら、朗読した。

 この中で、かおりさんは、夫婦の出会いから不妊治療の末に待望の子供に恵まれた喜びを打ち明け、「3人は本当に素直で、手をかけ、目をかけ、宝物のように育てた。この幸せがいつまでも続くよう願っていたけど、あの忌まわしい事故で一瞬にして崩れた」と述べた。

 「母親になって幸せだったよ。自分の命なんてどうでも良かった」と3人への思いを語ったくだりでは、朗読する検察官が涙を流す一幕もあった。

 また、大上さんは調書の中で、現在のかおりさんの様子について、「明るく振る舞ったり、ガタガタ体を震わせたり、子どもの名を叫ぶ時もある」と話した。

 起訴状によると、今林被告は昨年8月25日、東区奈多の海の中道大橋で、飲酒で正常な運転が困難だったのに時速約100キロで走行。大上さん一家5人が乗ったRV(レジャー用多目的車)に追突し、海に転落させて逃走。3人を水死させ、大上さん夫妻に軽傷を負わせた。

 裁判で今林被告は、「飲酒の影響はなかった」として、危険運転致死傷罪を否認し、量刑の軽い業務上過失致死傷罪の適用を求めている。

 ◆4度海中に潜った母、調書に「息絶えてもあきらめない」
 かおりさんは調書の中で、暗い海の中に4度潜り、車内に取り残された3人を救出しようとした模様を克明に説明した。

 かおりさんは、割れた車の後部窓から入り、紗彬ちゃん、倫彬ちゃんを次々に引き揚げた。「みんなで生きて帰る」。再度潜って車内中を手探りしたが、紘彬ちゃんの体に触れられない。「自分の息が途絶えても、絶対にあきらめない」

 再び海面で息をしようとした時、立ち泳ぎしながら2人を抱きかかえていた夫が沈みかけていた。紘彬ちゃんを救出するか、力尽きようとする夫の手助けに向かうか、「恐ろしく、悲しい選択だった」。「絶対に誰も死なせない。こんなところで死んでたまるか。哲ちゃん、生きるよ」。思いもむなしく、子どもたち3人は息絶えた。

 変わり果てた子どもたちを受け入れられず、ほおずりをしたり、乳を含ませようとしたりした。

 調書の最後は、こう結んだ。「天国で会おうね。また、きっと会えるから、さよならは言わないから」
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news-spe/insyu/709/in_07090401.htm



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